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グループでの事故報告は、医療関連の事故に限らず、診療に関連するあらゆる不都合は自主的に報告されている。その年次変化は、グラフに見られる。(図2)
報告書の分析は、その報告のつどなされるが、今回は薬剤事故に関連して結果を示す。
薬剤事故に言及する理由は、大きくは2つある。
一つは、薬剤に関連する事故、未遂事故はいずれの医療機関でも多発している。共有して、再発防止に役立てたいからである。
今ひとつは、本年(2006)1月より本院では、フル・オーダリングのシステムが導入された。導入に先立って、どのような事故が発生していたか、さらには、オーダリングがどのような機能を具備すれば、これらの事故が低減できるかを、検証しておきたかったからである。
現在、導入後のオーダリングに関わる事故の分析を集中的に行なっているが、今回提示するのは、薬剤治療の工程とその工程のどこで事故は発生した、さらには、どのようなオーダリングの機能を具備させれば、事故低減につながるかである。
総合病院入院治療に関連した薬剤関連の報告書は、2004/01月より12月までに、84件(102枚)であり、今回の分析には、オーダリング導入対象となる一般病棟や薬剤科関連に限定し、導入対象ではないICU/OR、また薬歴管理に関連する部分は除外した。(図3)

薬剤科の16件の報告は、内服薬の薬袋への服薬指示のご記入に関係するものであり、今回導入される薬袋への服薬指示ラベルのプリントで解消されると考えられた。
薬剤治療の工程(プロセス)は、基本的には注射薬、内服薬ともに同じであるが、より事故の多い注射の工程を中心に分析している。報告は、41件であり、分析不能な3件もふくまれる。(図4)(図5)


これらのうち、4件は医師の処方箋に関連しており、オーダリングで完全に防止できると判断した。
分析不能の報告書は、報告者、関係者の薬剤取り扱いに関して再教育・オリエンテーションが必要であると判断せざるをえない報告であり、深刻である。その他は「実施忘れ」が 7件、 「実施失敗」 は27件であった。(図6)

実施忘れは、作業者ごとのワークシートが、プリントされて、これに基づく作業を行い、指示をもらさず実施してゆくことで対応できると判断された事故である。
実施失敗は、その内訳が単純な指示に対する実施の失敗 9件であり、作業者別ワークシートに加えて、実施条件などの細部の指示が併記されていることで回避できる事故である。単純な指示の運用の細則に対応するワークシートで解決できる。
指示の中止・変更が徹底できずに、実施を失敗した報告が、 10件であった。変更指示が伝達されなかった、時間的に変更指示が間に合わないなど、変更指示が迅速に行なわれ、伝達される、薬剤の変更が迅速に行なわれ、旧い指示薬剤は回収されていて、取り違えの発生がなくなるなどの、効果があるオーダリング・システムが求められる。
条件付指示の実施失敗は、 2件が発生していた。投薬前の血糖値の測定が忘れられていたために、インスリンのスライディング・スケールに基づく投与量変更が出来なかったなどである。オーダ間の連結が防止には必要。
患者の取り違えは、6件発生していた。オーダリングに併せて、患者認証システムが導入されることで激減すると考えられる。認証システムをスキップしないという習慣を取得できるかは、もう一つの問題ではある。 |